大人の発達障害を抱えた人って意外に多いですよ
大人の発達障害、最近よく聞く言葉だと思います。
- 仕事で単純なミスを何度もする、
- 計算ができない
- 集中力があるけど視野がかなり狭い
- 一つのことしか取り組めない
- あいまいな指示だと全然動けない
性格には問題がないんだけど、
時に「仕事できない人」と
レッテルを張られてしまう。
こんな傾向がある人たちの何人かは、
受診すると"大人の発達障害"と診断されます。
経験20年の理系保育士ジャムです。
セラピストでもある私の視点から、【大人の発達障害の特性を知る】について書いていこうと思います。
あなたができることは、
大人の発達障害を知ること。
知ることで、
保育士仲間に必要な配慮ができるように
受診を勧めてみることができるかも
診断されると本人もスッキリして人助け
人にあからさまな迷惑をかけ、
種類によっては仕事に大きな支障が出てしまう
パーソナリティー障害とは異なります。
大人の発達障害の場合は、
周りが必要な配慮ができれば、
全く問題ありません。
実際に私はそういった人たちと
長年仕事をしてきましたし、
性格もよく、子ども達からとっても
人気のある人ばかりでしたよ。
そこで本人の能力を発揮して、
職場の保育者たちが幸せに働けるかどうかは、
周りの人が大人の発達障害の存在を知り、
どんな配慮が必要なのかを知る
これにかかっています。
1.大人の発達障害は、なぜ大人?
大人の発達障害とは、
子どもの頃からその兆候が
あったかもしれないけれど、
大人になるまで診断されて来なかった人が
持つ特性です。
保育園の子どもだとまだ分かりませんが、
学童期になると理解力や衝動のコントロール、
注意力や学習など、
能力的な差がハッキリとして来ますね。
本人も家族も困っていて、
学校や学童クラブなどに勧められ、
積極的に通院すると、
障害が早くわかるケースがある一方、
勧められても通院せずなんとかやり過ごしたり、
個性のうちかな?
と回りの大人が迷っているうちに
9歳の発達の節を乗り越えて、高学年になり、
落ち着いてしまったケース。
そうなってしまうと、
大人になって仕事をしてみるまで
本人が困る場面に遭遇しない。
思春期で悩むことがあっても、
発達障害が原因?
など本人も周りの人も疑いもしない。
見過ごされてきた程度の発達障害の多くは
- 対人場面
- マルチタスク
仕事で同時にいろんな事をやるような場面で
困ったことが出てくるので、
就いた職業によっては全く困らずに、
気づきさえしないまま
一生を終える人もいると思います。
ただ保育士の仕事なんて、
マルチタスクもいいとこですよね。
⚫️目の前の子どもの対応をしつつ、
⚫️後ろにいる子どもの泣き声や、
怪しい物音に耳をこらし、
⚫️より広く見渡せる位置取りで、
できるだけ多くの子を視界に入れておく。
⚫️チームで漏れなく見れているか、
他の保育士の位置取りも把握しつつ、
⚫️頭の片隅で次の予定を組み立てていても、
⚫️子どもの動きにより、すぐに駆けつける。
だから保育士になると、
大人の発達障害を抱えている人の多くは、
仕事上の行き詰まりを感じてしまいます。
私は保育現場に新人として入ってきた人で、
仕事上の特定の領域でうまく行かないことから、
大人の発達障害を疑い、
うまく行かないのは、
学生から環境が大きく変わって、
それまで気づかなかった特性が
あるかもしれませんね
と受診してもらったら案の定。
という人に何人も出会ってきました。
間違ってほしくないのは、
大人の発達障害とはただの「特性」なので、
良いも悪いもないということです。
ケアレスミスをしてしまう
のような誰でもある性質が、
少し集まってしまっただけのこと。
そしてパーソナリティー障害のように、
積極的に人に迷惑をかけることもほとんどなく、
ある特定の仕事が苦手というだけです。
言ってみれば
目が悪いとか、足が遅いとかと同じです。
目が悪いなら眼鏡をかければいいし、
足が遅い人には周りが待てばばいいだけですよね。
2.大人の発達障害を周りの人が知れば、みんなのストレスが減る
発達障害とは
保育現場でたくさんの子どもを見ていれば、
発達障害を疑う子が年中以上で必ずいますね。
ある程度の知識はお持ちだと思いますが、
少しだけ書いておきます。
発達障害者支援法
自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの
厚生労働省のホームページ
発現していても、
診断をされたかどうかは別問題で、
大人の発達障害は見過ごされてきたものです。
図解するとこんな感じで、
特性は広がりを持っています。
別に性格が悪い訳じゃなく、
経験上むしろいい人が多いです。
だけど同じミスを何度もやってしまったり、
あいまいな指示だと全然動けなかったりして、
新人教育を他の人と同じようにやろうとしても、
なぜかうまく行かない。
これは発達障害の特性を知るだけで、
⚫️変に期待をしなくなり
⚫️本人も難しいことを期待されずに済む。
関わるすべての人にメリットが大きくなります。
知ることだけです。
二次障害
発達障害の危ないことは、
二次障害があること。
怒られることが増えて、
頑張っているつもりでも漏れてしまう。
その時は真面目にやっているんだけど、
あとから考えると
と自分に自信がなくなってきて、
と自尊心が傷つけられて、
時にうつっぽくなったりします。
これは特性を理解してない周りの問題なのです。
逆に言えば、
障害特性を知って配慮することで、
二次障害も防ぎ、
本人も周りもストレスなく働けることになります。
3.ASD(自閉症スペクトラム)系の特性を知る
ASD型の特徴はこんな感じです
すべて当てはまるのではなく、
本質的なところを書いていきます。
⚫️コミュニケーションが必要な仕事が苦手
⚫️感覚(雑音や臭いなど)に敏感で苦労する
⚫️人とのやり取りが苦手でうまくできない
⚫️自分のやり方へのこだわりが強い
⚫️急な変更に対して融通が利かない
⚫️馴れ馴れしく、距離感が分からない
⚫️興味関心の幅が狭く、それ以外に興味が持てない
👆️いわゆる自分の世界に住んでいて、
空気が読めない感じです。
ミーティングをやっていると
話が噛み合わなくなったり、
急に関係ない話題を話し出したり、
雰囲気が読めないことで
周りの人が不快に感じることもあります。
ということを
他の事で手一杯で
手伝ってほしいときに、
急にやりだしたりね。
本質的なところはこんな感じですが、
外に出てくる性質は全然違ったりします。
例えば
- 寡黙で人付き合いが苦手
- おしゃべりだけど空気が読めない
どっちも人付き合いに問題があるけれど、
見た感じが正反対ですよね。
これくらい違ってきても
同じASDタイプだったりします。
ほかの発達障害でも同じですが、
わざとやっているように見えて
わざとではない。
人とのやり取りが苦手で自分世界に没頭し、
周りが見えないのがASD型の特性です。
4.LD(学習障害)系の特性を知る
脳の機能に偏りがあって、
文字や数字だけ特定のものがどうにもならない
といった特性です。
全般的に学力が低いとは違って、
いくら正しい方法で頑張っても、
ふたのついた容器に水を入れようと、
ふたの上から水を注ぐ感じです。
⚫️鏡文字を書いてしまう
⚫️書くスピードが遅い
⚫️漢字を覚えらず教えても間違う
⚫️文字の大きさがバラバラだったりする
⚫️計算ができない、数字を使えない
⚫️カタカナが読めないなど
⚫️文をスラスラ読めない
⚫️文末などを適当に変えて読む
⚫️図形やグラフなど算数的なものが苦手で分からない
特定の学習能力が脳機能的に難しいのですが、
難しいことはそこだけなので、
そこがなんとかなれば問題ないといえます。
英語をずっと習ってるのに話せもしない
これと同じようなものですね。
計算は電卓を使えるので問題なしとか、
書けなくてもタイピングは速いとか、
ITによって補えることが多いです。
5.ADHD(注意欠陥多動症)系の特性を知る
注意欠陥と多動の二つの性質がありますが、
大人になっていると落ち着きのない多動系は、
ほとんど現れてこないことが多いです。
注意欠陥は、
- 細かいミスをする
- 後からなら分かるけどその場では気づかない
- 衝動的に行動や発言をしてしまう
こんな感じ
ADHDで優れた業績を残している有名人は多く、
エジソンなんかもそうだと言われています。
細かいことを必要とせず、
感覚だけでどんどん進んでいく特性とも言え、
それが並外れた行動力として
結果を産み出すことに繋がったのかも。
⚫️次々と関心が移る
⚫️外からの刺激ですぐに気が散る
⚫️ルーティンでも日々の活動を忘れやすい
⚫️物をよくなくす
⚫️仕事中にたびたび不注意をする
⚫️ある程度の時間の集中力持続が難しい
⚫️黙っていられず口出しする
⚫️衝動的に不必要なことを言ってしまう
⚫️考えなしに暴言を吐いてしまう
衝動からくる多動で困るのは暴言ですが、
それ以外は消極的にミスをしてしまう感じです。
仕事でミスをして叱られると悩み、
頑張っても改善されないので、
鬱になったり、悩みが深くなって
ますます注意散漫になるループ(二次障害)
に陥りやすい特性ともいえます。
6.DCD(発達性協調運動障害)系の特徴を知る
不器用さや、身のこなしの不自然さの特性。
運動神経悪いと言われることもありますが、
それよりは幅広く体の使い方が下手な感じ。
割合としては少ないらしいです。
手先が不器用なら、
細かい作業を頼まなければいいだけですが、
保育現場だと子ども相手に
体が動かないと難しいので、
環境や配慮ではカバーしきれない
可能性もあります。
ベテランのおばあちゃん先生など、
動きが限られているけれど働きは悪くないような、
仕事の仕方が参考になるかもしれません。
⚫️身体を使うことが苦手で、球技が特にダメ
⚫️身体の動きがぎこちない
⚫️不器用で細かな作業が苦手
⚫️姿勢がすぐに悪くなる
⚫️転んだときに手が出ないなどで、怪我が絶えない
⚫️靴ひもが結べないなど
怪我をしやすいのですが、
保育現場は子どもの過ごす環境が
ちゃんと整っているはずなので、
自滅事故は起こしにくい環境といえます。
7.大人の発達障害を知るのまとめ
大人の発達障害を知ったことで
なんでこの人はこんなこともできないんだろう?
という認識が変わったと思います。
そういった性質をもった人として見ることで、
- できる仕事を振ったり、
- 特性的に無理なお願いは避けるなど、
配慮できると本人もあなたも
ストレスなく働くことができます。
この記事ではあまり長くならないよう、
概要のみを書いたので、
本を読むと理解が深まると思います。
ありがとうございました
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