空気読めないあの人はASD傾向かもしれない・・
大人の発達障害、最近よく聞きますね。
一言で言っても特性は様々ですが、
この記事では
- 融通が全然効かない
- こだわり半端ない
- 周りが全然見えない
- コミュニケーションがうまくいかない
こんな感じのASD(自閉症スペクトラム)
の傾向がある保育士の同僚にフォーカス。
※働けないほどの発達障害は扱いません
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/笑う.png)
経験20年の理系保育士ジャムです。
セラピストでもある私の視点から、【大人の発達障害ASD傾向の同僚保育士】について書いていこうと思います。
- 保育観が違うのを話し合っても譲れない、
- こだわりが強くて人にそれを強いる
- 我が強いなど
程度の差はあっても、
こんなのを誰しも持ってます。
なぜなら基本的に保育士は職人気質、
子どもへの思いが強いというのは
こだわりがあり、
曲げられない思いもある。
客観的に見つめるよりは、
自分の感情で目の前の子を見たい。
こんな感じなので、こだわりが少し強めなだけでも
人とぶつかることが増えてきます。
その程度がコントロールできない、
頑張ってるのになかなか難しい、
もっと分かりやすいところだと、
一人で仕事を抱え込んでしまい相談しない。
仕事に支障が出てる人もけっこういますね。
全般的ではなくピンポイントの性質なら、
意外に当てはまっている人が多いのです。
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/閉口.png)
否定されると
イラついて返事しなかったり
(若い頃・・)
相談しないで仕事を進めて怒られたり、
自分では思い当たる節がありますか?
ある意味経験者の私がどんな手順で、
あなたが同僚に困っている状況を
好転させていくのか?
について書いていこうと思います。
![同僚に自閉傾向](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/04/1544622_s2-300x200.jpg)
1.ASD系(自閉傾向)の保育士の事例とよくあるケース
私が系列の学童で聞いた話
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/5322462.jpg)
後輩にお店に行かせたら
手ぶらで
帰ってきたんですよ。
信じられない!
こんな話を同期から聞きました。
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/161313.jpg)
気に入らなかったので、
帰ってきました。
ほかの店に行くとか、
帰ってくる前に連絡するとか、
いろいろありそうですよね。
融通のきかなさは困りますね。
ーーー
違う話で、
作業をやっているときに
こっちのやり方がいいよと
教えても、明らかに非効率なこだわりを捨てない
大筋に関係ない細かいことにこだわってて、
会議が進まないとか。
空気が読めないで、
言葉そのまま受け取って
冗談が通じないで怒り出すとか
学童くらいの子どもの言ったことを真に受けて、
落ち込んだすることもよくあります。
![ごみに埋もれる](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/04/873770_s-150x150.jpg)
相手の立場の想像ができず、
何で相手が怒っているのかも分からない。
暗黙の了解や常識がよくわかっていないので、
常識外のことをしでかしたように見えるけど、
本人はいたって真面目とか。
他には子どもが騒がしくしている場面では、
音に反応しきれずにフリーズしてしまったり、
我慢の限界を超えて急に休んだりと、
仕事に支障が出ることもあります。
ーーー
ASDでよくあるケースを書きましたが、
すべて当てはまるのではなくて、
人によってかなりバラバラです。
仕事に支障が出てたびたび怒られると、
不安や恐怖が強くなって、
鬱になるような二次障害もあります。
2.ASDが疑われる同僚がいる場合の状況分析と、この場合の一番の問題は?
問題の本質
結論を言えば、
- 言えば分かるだろう
- 頑張ってくれれば結果が改善されるだろう
👆️こんな期待を周りの人がしているのが、
問題の本質です。
相手がASDだった場合には、
このような期待は無駄になるからです。
人の性質はずっと生きてきた中で育ったもの。
かけた時間は実に20年とか30年とか。
だから働きはじめて数年の、
職場の人間関係みたいな、
たまに声かけをする程度の薄い関わりでは、
厳しめに指導したところで何も変わりません。
期待はいつも裏切られ、
イライラが募るだけでしょう。
ASD傾向の人はこだわりがある分、
特に変わりにくくなります。
変に期待してしまうのは、
相手の特性を理解していないから。
幼児に漢字を書くのを期待しないけど、
小学生には期待する。
できると思っているけれど、
実は無理だったというわけです。
大人の発達障害とは、
普通の大人だと思っていたけれど、
実は診断されてないだけの人もたくさんいます。
【大人の発達障害を知る】特性への配慮で、あなたも本人も幸せに働く
【人に期待しないアドラー心理学】人間関係で悩まない重要マインド
ASDの特性
よくある特性
⚫️コミュニケーションが必要な仕事が苦手
⚫️感覚(雑音や臭いなど)に敏感で苦労する
⚫️人とのやり取りが苦手でうまくできない
⚫️自分のやり方へのこだわりが強い
⚫️急な変更に対して融通が利かない
⚫️馴れ馴れしく、距離感が分からない
⚫️興味関心の幅が狭く、それ以外に興味が持てない
これは期待しようがしまいが、
どうな働きかけをしようがしまいが、
相手の性質なので変わらないわけです
だから具体的にできることを考えるには
特性を知ることが必須。
ASDといっても
- ぐっと集中して人と交流しない人と、
- 距離を急につめてくる馴れ馴れしい人、
人によって振れ幅が大きいので、
その人の特性を理解していきましょう。
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/通常-3.png)
どうやらASDじゃないかも。
でも普通の人とは違って仕事に差し支えている。
という場合は違う発達障害や、
もしかするとパーソナリティー障害なども
可能性としてはあります。
よく分からない場合は、
このような相談先もあります。
本人じゃなくても相談できるのがgood!
![心の耳](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/04/Screenshot_20210410-1735012-241x300.png)
3.自分ができる具体的な解決策は、特性を知っての適切な配慮と通院の勧め
相手の特性を知ることについては、
仕事をある程度一緒にやってきて、
ちゃんとした知識を持って冷静に考えれば、
けっこうな精度で特性が分かるでしょう。
ですが、
ちゃんとした知識というのが難しいですよね。
けれど普通と違うというのだけは分かる。
私もASD傾向の人ってかなり出会ってきました。
ここ掃除しといてで、
ゴミだらけなのに「終わりました」
こんな人がいるかと思えば、
5分の予定が30分たっても終わらない。
見に行くと、楊枝で汚れをほじってる。
そこまでやらなくていいよ。。
人によって特性はバラバラ
ADHD傾向とも共存するので、
なかなか素人には難しいんです。
![苦手](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/04/1377347_s-150x150.jpg)
だから基本的には通院を勧めてみます。
完全に同列の同僚だとさすがに言いにくい。
よほど仲良くないと機会もないと思うので、
上司に相談して言ってもらうのが定石。
自覚していれば受け入れやすいかもしれませんが、
ASDの方はある意味頑固。
言われても認めない人もASDタイプには多いので、
実際にあなたや周りの人が困惑しているのなら、
業務命令的に行ってもらう判断も必要かも。
実際に診断が出たなら、
始めこそ落ち込むと思うけれど、
結果的にスッキリします。
職場の仲間にも知ってもらい、
カミングアウトして配慮をしてもらう。
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/142597.jpg)
大人の世話までするの~
マイナス感情を持つ人もいるかもしれませんが、
それを抑えるためには、
職場としてのサポートを明言してもらうこと。
本人も楽になるでしょう。
![悩み解決](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/4266375_s-150x150.jpg)
あなたがちょっとだけ上の立場なら、
実際に勧めるのもあなたの役目かも。
回りくどく伝えるとよく分からないので、
配慮しつつもキッパリと言い切るのがコツです。
上の人の台詞
👇️
言いにくいけれど、あなた変わってますね
もしかしたらASDの傾向あるかもしれない。
といいつつ
ASDの特性を示す。
一緒に働いてきて、
あてはまるのがいくつかあると思うけど、
自分ではどう思いますか?
頑張ってるのになぜかうまくやれない人、
私は何人も出会ってきましたよ。
珍しいことじゃないから、
落ち込まなくてもいいんです。
職場として配慮したいと思っているけど、
ポイントがよく分からない。
自分でも悩んでるじゃないかな?
だから一度受診して見てください。
私も一緒に行きます。
医者ならアドバイスくれるだろうし、
苦手な部分がはっきりしたなら、
職場としてもサポートがしやすくなります。
こんな感じで傷つけない配慮をしながら、
半ば業務命令的にでも通院を勧めてみましょう。
![すすめ](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/1268249_s-150x150.jpg)
私の勤務していたところの法人はちゃんとしてて、
施設長も人格者だったので、
忙しいにも関わらず一緒に通院をして、
職場としてできるサポートを、
医者に聞いていました。
定期検診にもたまに行って、
職場としてサポートを明言。
カミングアウトは必要ですが、
それくらいやってくれるなら、
拒む人はいないでしょう。
実際に現場レベルでは対応に困り果てて、
施設長ではなくさらに上の
法人からの指令で受診した人もいます。
結果的にポイントが分かり、
本人も自覚することができて、
以前は頑として受け入れなかったのに、
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/12198772-e1615595233190.jpg)
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/8736833.jpg)
冗談混じりに会話できるようになった人もいます。
①特性の理解を職場で共有する
②なんとか通院をしてもらう
できれば上司が付き添う
③必要なサポートを受診結果を踏まえて考えてみる
悩み解決といっても、
大人の発達障害は全体でのサポートが必要なので、
あなただけが動いて解決する
性質のものではありません。
そのために医者の力を借り、
施設トップやさらに上の力も借りるわけです。
逆に言えば、
職場の理解を得られないまま働いて、
職員一人だけ、あなただけが奮闘したところで、
状況は改善しません。
職場の雰囲気にもよるところですね。
![空気読めない](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/04/2465184_s-150x150.jpg)
4.ASDの、その人の特性を理解をした上でできるサポートの例
ASD傾向がある人にどんなサポートができるか
の例を書いていきます。
シングルタスクでやってもらう
ASD系の人は興味の幅が狭いため
視野も狭くなりがち。
結果的に複数の仕事を
同時並行的にやるのが苦手な場合があります。
だからこそ、同時にタスクを振らないことが、
大切な配慮ポイントになります。
子どもへの指示は多くても2つですよね。
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/12198772-e1615595233190.jpg)
順序だててもこの程度。
同時に「これとあれして」
なんて指示は出さない。
子ども相手と同じことをするだけです。
![配慮をするだけ](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/04/2288314_s-150x150.jpg)
不得意を求めない
ASDによっての不得意は、
頑張っても改善されないことが多いです。
苦手でも乗り越えろ!
って言いたい気持ちは分かります。
だけどよほど余裕があれば別だけど、
基本的には得意なことに集中した方がいい。
別に障害あるなしに関係ないけれど、
ASD系の人には顕著。
特に人の気持ちなどは想像しにくいため、
保育現場では保護者対応は他な人がやるとかも、
ありえるサポートになります。
ピアノ苦手な人に演奏しろと言っても
無理なのと同じこと。
自分でやってみようという気になるのではなく、
外からは、苦手を本人に求めないように。
![嫌だ](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/3667259_s-150x150.jpg)
具体化と明文化、経験値をためる振り返り
- もう少し待っててとか、
- 適当にやっといてとか、
あいまいな指示をだすと、
時に思いがけない結果が返ってきます。
だから10分待ってくださいとか、
椅子をこれ以外全部片付けてくださいとか
具体的な指示を心がけます。
また暗黙の了解ではなく、
明文化することも効果的です。
ただ全てをマニュアル化できないのが
保育現場の仕事なので、
経験値をためるための振り返りを、
その人だけ多くとるといった配慮が有効です。
ASDには記憶力はよい人が多いので、
一度乗り越える経験をすれば、
次回からは大丈夫になってきます。
経験の少ないうちはよく分からない
普通の人のしない判断をしての失敗が
ASD傾向の人だからです。
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/通常-3.png)
感覚過敏にはできる配慮を。
子どもがわんさかいて、
動き回っている年長クラスよりは、
動きの少なくて静かめの低年齢クラスにするとか。
聴覚過敏なら事務の時は耳栓してもいいとか、
特性が分かれば配慮も可能ですね。
![集中できない](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/04/2077148_s-150x150.jpg)
5.ASDの人へのサポートは適切か?の検証を職場として行う
その人の特性理解は、
受診してもらえばだいたい正確に把握できます。
できるサポートをしてみて、
ちゃんと効果があるのかを検証していきます。
あなたの立場にもよりますが、
同僚として一緒に働いていて、
まだミスが多いとか。
あくまでも子どもの支援が本業で、
同僚の支援はサブなので、
サポートが負担になりすぎていないか?
も考えてみます。
その人が苦手な仕事は周りの人が担うので、
バランスはどうか?とかね。
基本的には得意なものに専念してもらうのが、
全体としては一番効率的です。
![正当化し](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/04/3579734_s-150x150.jpg)
6.保育士仲間がASD(自閉傾向がある)かもしれないときの解決手順まとめ
ASDの同僚に悩んでいる問題の本質は、
その人の理解が足りないことにあります。(2章)
だから解決手順は
自覚できないパーソナリティー障害とは違い、
診断されていない大人の発達障害の場合は、
私が見てきた限り、
基本的に頑張っているのにミスが多くて
悩んでいる真面目な人が多いです。
ASD系の人には真面目だけど空回り、
二次障害で落ち込みやすかったりします。
新卒で入ってきた人に通院してもらったら、
診断が降りたケースを、
何件か目の当たりにしてきました。
パート職員だとそこまで手厚くなくて、
できる仕事をやってもらうだけも多いです。
でも常勤職員だとそうもいきません。
得意と不得意が極端でも、
得意については並外れた能力がある場合も
少なくありませんね。
![医者](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/4356072_s-150x150.jpg)
受診して診断がはっきりすれば、
始めこそ悩みますが受け入れてスッキリし、
薬も出て、ここぞという時の備えや、
回りからのサポートも得やすかったですよ。
理解してれば期待もしないし、
無理そうな仕事も振らなくなる。
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/12198772-e1615595233190.jpg)
と配慮の輪が広がります。
ただ、ハンデを抱えたまま仕事ができる職場は、
出会いがないと難しいかもしれません。
チームメンバーにASDの人がいたとして、
周りの一人が、あなた一人が悩んでも、
解決できる問題じゃないからです。
上司の理解が得られないような施設では、
最終手段としては
転職を勧めるのもやむ無しかも。
![](https://hoiku-pub.jp/wp-content/uploads/2021/03/笑う.png)
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