困った行動は問題行動じゃないかも
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あなたの悩み状態は
・幼児の問題行動に困っている
・子の行動の原因がどこにあるのか分からない
・子どもの問題を保護者へどう伝えればいい?
こんな感じでしょうか?
私もいろんな子に接してきました。
集団の中で見ると難しい子は一定数いますね。
家で一人ならいいかもしれないけど、
すぐ叩いてしまったり、幼児らしからぬ言葉遣いとか、保育園など集団でたくさんの子を見ている場面だと困ってしまう状態。
こんな子を「問題行動がある」って見がちです。
経験20年の理系保育士
ジャムです。
セラピストでもある私(プロフィール)(@jamgakudoツイッター)の視点から、
【保育施設での幼児の問題行動】←今回はこれを解決していこうと思います。
多くのケースで問題の本質になってるのは
①問題行動を漠然ととらえてること
②ゴールを設定してないので、子どもへの対応と保護者への対応をセットで考えてしまい、結局やることがよく分からなくなってること
それを踏まえた具体的方法は
●問題行動を理解する
●子どもには、現場で困ってることがなくなる方法を試す
●親へは原因をなくしてもらうアプローチ
とるべき行動を理由付きでコツも書いているので、短期間のうちにやってみることがハッキリとし、あなたの悩みが解決に向かうと思います。
👇この記事を読むと分かること👇
- 問題行動は何が"問題"なのか?
- 二次障害や不適切養育の連鎖を断ち切る
- 子どもに対しての問題行動を変える働きかけ
- 保護者に原因を捉えてもらう働きかけ
- 1-1.問題行動は何が問題なのか?
- 1-2.問題行動は子どものせいじゃない
- 2-1.ゴールとは困ることをなくす+本人の育ちにとって良い環境にする
- 2-2.二次障害を防ぐ
- 2-3.不適切な養育の連鎖を切る
子ども対応のスキルや考え方はこちら👇
1.問題の本質1つ目は問題行動の理解不足
保育園での問題行動に
困っています
この問題の本質は2つ。
①問題行動が漠然としてること
②ゴールが見えてないこと
1つ目の問題行動を漠然ととらえてること
これは理解すればいいだけなので、
この1章でさっそくお話していきます。
1-1.問題行動は何が問題か?
保育現場で「この子は問題行動がある」ってよく聞くけど、
保育者が困ってることが全て問題行動じゃありません。
問題行動を定義しておくと
●周りに迷惑をかけてしまう行動
●社会的に受け入れられない行動
●行動は大丈夫だけど発達的に良くない原因がありそうなもの
保育所だと
問題行動とされますね。
一方で
- タイミングのずれた関わりで反発されるとか、
- 駄々をこねて動かなくなる
こんなのは関わり方が下手なだけで、問題行動と言えるか?微妙なところ。
集団に合わせられない行動も同じく微妙。
保育園じゃなくて家なら大丈夫ってのは
じゃあ家にいなよ、で問題解決だから。
ちゃんと保育園に行きなさい
は保護者や社会の問題になってきます。
大人の思い通りにならないことを指して、全部が問題行動とは言いません。
問題行動だと思ってること
=☓思い通り、期待どおりにならないこと
よく考えてみたらこれだった場合、
これは問題行動じゃなくて、期待し過ぎなだけ。
だから「問題行動で困ってます」→それは問題行動じゃないってことで解決しました。
期待し過ぎの問題解決はこちらの記事でどうぞ。
1-2.問題行動は子どものせいじゃない
子どもの欲求は、年齢が低いほど単純です。
赤ちゃんは
- お腹がすいた
- 暑い
- オムツが気持ち悪い
- だっこしてほしい
- 体調が悪いから何とかしてくれ
👆これくらいでしょう。
どちらにしても、とても分かりやすいですね。
もう少し年齢が上がり幼児になると欲求が増えてきます。
と言ってもマズローの欲求説の2段目、だいたい安全欲求のうち快適性欲求、たまに危険回避までだけど、
「認められたい」「人に負けたくない」「人と一緒がいい」社会的欲求っぽいものも少し入ってきます。
親にたいしてかまってほしい、
愛情をかけてほしいというのは
年齢が上がってもなくならない欲求。
衝動的な行動は特に、欲求を素直に出してるだけ。
泣いて暴れて手を出すとか、欲求の出し方が問題だけど、
●子どもの経験不足
●発達特性で善悪判断が難しい
●自制できない脳の未熟さ(衝動性が早い経路)
●生まれついての特性
こんなのは子どものせいじゃないですよね。
例として生まれつきの発達障害や気質からの問題行動
自閉症スペクトラムを持つ子どもは
世界の感じ方が他の人と違うといわれます。
普通の人なら気づきもしない小さな事を敏感に察知して、気になって気になって仕方がない、
普通の人にとってはなんでもないのが、
自閉の子にとってはとんでもなく得体の知れない世界。
そんな環境で不安を感じるのは当たり前です。
そのとき「性器を触るとなんか安心するなあ」
を発見したらならどうでしょう。
不安がとても大きければ、人前でも触っちゃいますね。
これが他の人からみたら、
"自慰行為だ!問題行動だっ!"
似たようなところで
遊んでるつもりが暴力行為。
言葉が出ないコミュニケーションの問題で、
気に入らないことがあると「バカ、死ね」しか言えない、とりあえず暴れる。
問題行動と言われているものは、
行動には確かに困っている。
だけどほとんどの場合、
本人のせいじゃないってことです。
2.問題の本質2つ目はゴールが見えてないこと
問題行動に困っている時の本質2つ目は、
「困った困った」だけで、ゴールを決めないで日々過ごしているケースがとても多いこと。
これを2章でこれからお話していきます。
2-1.ゴールとは困ることをなくす+本人の育ちにとって良い環境にする
直接的な当面のゴールは
問題行動から出てくる「困ること」をなくす。
これは子ども本人への保育現場での対応でなんとかします。(3章)
発達が追いついてないなどの理由なら、当面の困りポイントだけなんとかすれば時間の解決を待つだけ。
だけどその行動をなくしたところで、
解決しないのもあります。
または根が深くて行動すら正せないケースもあります。
なぜなら難しい問題行動には、
裏に家庭環境が絡んでることが多いから。
なので最終的なゴールとして
本人の育ちにとって良い環境を作ること
具体的には原因を特定しての
●二次障害を防ぐ
●不適切養育の連鎖を切る
が付いてきます。
ここをはっきりさせて目指しても、
家庭のことなので解決できない場合も多い。
でも目指さないと確実に不可能で、
保育所にいる間だけの腰掛け的な関わりになっちゃいます。
プロの保育士としては考えてほしいところです。
2-2.環境その1 二次障害を防ぐこと
例えば学習障害。
学習障害は脳の文字の認識や、
計算の機能みたいなところが他の人より弱いもの。
計算機に「ひらがなを出力しろ」って無理。
学習障害って、その機能がついてないか、
とっても弱いみたいな感じです。
いい悪いじゃなくて、そういう人。
本人が頑張ってもどうにもならない。
だけど小さい頃から
おまえはバカだ
って繰り返し言われたら、
そりゃ
みたいな感じになる。
繰り返し繰り返し叱責され、
- 怒られるときの恐怖、
- 受ける罰によっての苦痛
こんなのが積み重なって、
全体的な認識能力や理解力、コミュニケーション能力みたいなものもついでに引っ張られた場合、発達障害みたいな感じになります。
生まれつきの発達障害が原因で、さらによくない環境へ落ちるのを二次障害って言いますね。
発達障害じゃなくても、
性格的に元気すぎるのを怒られ続けるとかも同じ。
特性から出て来やすい二次障害を防ぎ、その子にとって将来的にも続いていく安心できる環境を作る。
これが1つのゴールになります。
2-3.環境その2 不適切な養育の連鎖を防ぐこと
親がよくない環境で育ってきてた場合、
子どもの育て方を特に勉強しなければ
自分が育った経験が拠りどころ。
それが「叩かれて育った」だとどうなるか?
同じことをしそうよね。
これが不適切な養育の連鎖って言われるもの。
マルトリートメント、早い話が虐待です。
今は情報がたくさんあるから、
これから親になる世代はマルトリートメントの連鎖からはいずれ抜け出せると思うけど、なかなか厄介。
普通と思ってるから困ってないとか、将来的な心配をしてない。
それが思春期になって言うこと聞かなくなってくると、
と涙する。
早い段階の子どもの問題行動に表れるのも多いから、できればそこを断ち切ってあげるのかゴールの1つです。
3.保育現場では原因は関係なく子どもの行動へ対応する
子どもの困った行動を変えるには行動療法的に2つの軸
①原因を考えて対処
②原因はどうでもいいから、行動をなんとかする
これは行動を正せば原因はどうでも良くなるケースが多いのと、
保育現場では子どもに対応するのが基本なので、
「②原因ではなく行動をとりあえずなんとかする」をこの章で書いていきます。
現場で困ってることを直接的になくせないか?色々な方法を試してみるわけです。
子どもの行動は欲求があって出てるので、
行動をなんとかするためには、欲求に訴えかける。
これは難しいことじゃなくて、
- 得したい
- 損したくない
ってのが子どもというより人間の欲求。
これに訴えかける。
- いつも構ってくれない親が注目してくれる
- ご褒美もらえる、褒めてもらえる
- 何か気持ちがいい感覚
損するってのは
怒られるとか、
何か貰えなくなるとか
対応の基本は、
①問題行動がよくないことを気づいてもらう
②問題行動で得られる利得を他の方法で得る
気づいてもらうには子どもの理解力の発達を待たなくちゃいけないから、幼児はまだ無理ってことで後者。
つまり問題行動で得られるものを、いけない行動をやらなくても与える方針。
欲しいものは幼児ならほぼ人(親)からの愛情なので、ご褒美的に褒めるのが効果てきめんというわけです。
一方で二次障害を防ぐためにも、
罰はできれば避けたいところ。
使うにしてもピンポイントで。
ご褒美や罰は行動を誘導するみたいで嫌かもしれません。
だけど、問題行動により出てきてる困ったことを早めに消すのが目的。
それ以外「自制心が育たないんじゃ?」とかは目的達成には関係ないので無視します。
目的を見失わないように。
【目的思考は9割の人ができない】メリットだらけ悩み解決必須マインド
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4.親への対応は原因を予想してアプローチする
問題行動そのものをなくせても、
やっぱり原因も取り除いてあげたい。
「暴力はなくなったけとおもらしが増えた」みたいに、問題行動が手を変え品を変え出てくるから。
または不満をくすぶらせたまま大きくなって、大きな問題につながるから。
幼児の場合、発達の問題か、保護者の作る家庭環境が原因です。たまに保育現場が原因のこともあります。
例えば親に普段構ってもらえないのに、いけないことをしたときだけ厳しく叱られる子。
愛情不足を感じて、構ってほしくて問題行動をする。(叱られるときだけ構ってもらえる)
保護者は「関わりが足りない」って原因は分からないけど、厳しく叱るほど悪い行動が増えるので困って、何とかしたい。
原因が保護者にあるけど、それが分からなくて困ってるケースがとっても多いんですね。
保育士の仕事はそこを客観的に気づいて、なんとか保護者に伝える。
原因が何か、保育所で子どもと関わってるだけじゃ分からないんですが、保護者の様子や面談があればその時の様子から、
って仮説が立ちます。
そして保護者にも気づいてもらう、考えてもらうために「子どもについての専門知識」という材料をあげる。
◯◯のようなストレスが日常的にかかっているときによく出ます。
△△くんは家でどんな感じですか?
●家庭での対応の方針を一緒に考えてあげる。
●または専門機関に繋げてあげる。
プロの保育者のできることはこれ。
どっちにしても必要なのは保育士としての専門知識なので、勉強は必要になってきます。
そしてそこまでやっても、困ってるくせに頑なな保護者もいるので、入れ込みすぎないようにというのも気をつけるポイントかもしれない。
燃え尽きないために。
【仮説思考のコツとやり方】悩みを最短で解決するための科学的思考法
原因が発達の問題や、保育現場にあってもやることは同じ。
保護者に気づいてもらい、
✔️発達の問題 → 通院を勧めるとか
✔️保育環境が原因 → 転園なども視野に話
原因解消にはほとんどの場合、保護者に決定して行動してもらう必要があるからです。
5.チームアプローチで期間設定して様子を見る。うまくいかなかった時は
問題行動を見かけ上なくすために、
ご褒美や褒める、場合によっては罰も使いながら、
チームとしてやり方を統一し、ブレずに試してみましょう。
「甘やかすことになるんじゃ?」とか、
余計なことは考えなくていいです。
なぜなら当面の目的は「問題行動によって出てきてる困ったことをなくす」
「他害をなくす」とかね。
いったり来たりして成長するのが子どもだから
繰り返し繰り返しやっていくこと。
一回試してダメだからやめよう、ってスタンスは何をやっても効果は出ません。
それでもある程度の期間(1〜2週)試して駄目なら、やり方がその子に合ってない可能性もあるから、別の方法を試してみるのもあり。
その方法を変える時は、個人じゃなくチームとして。
6.幼児の問題行動対応まとめ
いかがでしたか?
対応の前提は
大人が思い通りにならないことを問題行動と思ってる場合もあるのでよく考えてみること(1章)
実際の対応は2つのゴールを設定。(2章)
現場では子どもに対応して、問題行動から出てくる困った状態をとりあえずなくすこと。(3章)
保護者には問題行動の原因を理解してもらうことで現在と将来的な環境をよくすること。(4章)
分けて考えるとやることがスッキリします。
ありがとうございました
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