「こんなはずじゃなかった」
はじめて常勤職員として配属された学童クラブで、
やめる直前の1ヶ月あまり、
毎日こんな思いで頭がいっぱいでした。
仕事に行きたくないと思い悩みながら出勤すれば、
上司は無視か、口を開けば批判しかしない。
聞いても相談してもろくに教えもしない。
にも関わらず、子ども対応や保護者対応で、
まさに質問したことで私が分からなくて失敗すれば、責任追求を
言われて当然でしょ
みたいな感じでしてきます。
子どもと遊んでると、ふいに小学生の女の子が
って不意に言ってきたんですよ。
どうやらその上司が私の悪口を、
いないところで同僚に言うならまだしも、
あろうことか子どもに話していたみたい。
怒りぎみに話をしても、全く言葉が通じない。
自分が未熟なのは分かってた。
でもやり方が許せなかった。
だから若かった私は対決姿勢を取ってしまい、
そのうちに相手の方から、
私を避けるようになってきました。
通勤途中の電車では
いなくなってたらいいのに
こんな感じの負のループ的な考えが
浮かんでは消えていく。
「子どものために働きたい」
と思ってたのに、
一年近く経ったらこのザマ・・・
「ダメだ、自分にも悪いところがあるんだから、
とらえ方を変えよう!」
って言い聞かせても、
ぼうっと電車の外を眺めてると
「あいつ、消えてくれればいいのに」
この繰り返しよね。
・・・
私は元々東京大学で科学の研究をしていましたが、
きっかけや思いがあって考えた結果、
それまでの経歴を捨てて、
保育の道に進むことに決めました。
途中でセラピストの資格も取り、
大人の悩み相談にも乗りながら、
保育士資格所持者として
学童クラブや保育園で仕事をすること20年以上、
現在はあなたの役に立つためのウェブサイト運営。
このプロフィール記事では、
私がここに至るまでの道と、
そこから思うことについて
書かせていただこうと思います。
研究者以前の話から、
保育の道へ入るまでの話は別で書いてます。
(記事最後にもリンクつけたので、
この記事はこのまま読んでほしいです)
そう、
私は大好きな子ども達の成長を喜び、
子どもと共に成長していける仕事を
どうしてもしたくなったんです。
ひとつ目の学童クラブに就職
気持ちはあったけど、
私は保育とは縁もゆかりもない分野の人。
保育士資格を教科書を読んだだけで取り、
とりあえずの知識は入れました。
福祉系の大学に通信で編入し、
働きながら勉強し、レポート書いたり
スクーリングにも行ったりして
必要そうな研修があると知れば
自分で申し込んで受講しに行く。
子どもの心理を学べるの場がないかと探し、
心理学を勉強してる自主グループみたいのに、
紹介なしで単独で入っていったり、
人間理解のため、
心理セラピーが役に立ちそうだと思い、
セラピーの資格も取って、
大人の悩み相談に乗ったり。
他にも食品衛生などの資格を取ってみたり、
- 障害のある子の放課後支援や、
- 地域の子ども会的なボランティア、
- 養護施設の学習ボランティア、
とにかく役に立ちそうなことは
何でもやる姿勢でやってきた。
だけどこの一発目の配属先学童クラブってのが、
今考えてもとにかく劣悪な施設でした。。
- 都内の正規職員
- 月20程度で土曜込みのローテ9:00~18:00
- 給料 月125000円(交通費差し引いて)
- ボーナスなし
- 研修はあると言ってたのに入ってみたら一度もなし
待遇だけ見ても相当アレですよね。
当時は資格を教科書のみで取っただけの
素人同然だったので、
って考えてました。
ある事情から、お金には困っていなかったので、
こんな普通の人が応募しないような案件に応募。
普通考えてこんな求人に人なんて来ないから、
ハローワークで電話してもらったら即採用でした。
そう、こんな待遇のところ、
まともな人なんていないんですよ。
ここは運営者も含めてでしたね。。
父母会のOBの父兄が運営者でやってたけど、
経営はいい加減、
子ども対応のノウハウなんてない。
自治体から補助金をもらうために、
名前だけ名簿に入ってる職員。
運営者の中学生の息子を
「バイト」だと称して現場に投入。
やる気ないから来やしない。
その来る来ない確認の電話を、子どもがいる段階でやる。
理念は文章では書いてあるけど、
全くの飾り。
常勤は私含めて二人、
若いほぼ学生のフリーターバイト3人、
おばあちゃんパート1人で現場を回す
もう1人の常勤は私が入った当初は病欠。
(来たら来たで当初の無視批判状態だから
いない方がよかったけども)
まあとにかく、
全員素人状態で子どもを20人くらい見てたわけ。
- 特別支援学級に行ってる発達障害の子や、
- 家庭がダメで課題がある子、
- 単に元気で力を有り余らせる子や、
- 同じ子ばかりとトラブルを起こす子、
- 小さいことでアレコレ要望が多い保護者
あなたのところはどうですか?
まあ子どもの状況は保育園含めて、
どの施設でも同じだと思うからいいんだけど、
ここをどこだと思っている?
超が2つ付くくらいの素人集団よ。
教科書の「石井十次が岡山孤児院を創設した」
みたいな知識はいくら知ってても
一切役に立たないのよ。
あらゆる対応ができなくて
行き当たりばったり。
バイトさんたちも頑張ってたんだけど、
とにかく方法を知らない。
当時はネットもろくになくて、
経験者に聞こうにも存在しない。
👆️そんな状況でだんだんストレスもたまってきて、
- 素直ないい子へのひいき、
- 悪口言う子には上からかぶせるように怒鳴る
- 障害のある子には独りよがりな支援的な関わり
行き詰まっていた頃に、
病気だったもう1人の常勤は、
調子がよくなったのか、
だんだん出勤するようになってきました。
思えばその人も、
やり方が分からなかったんだろうな
働いてれば意見の食い違いは当然起きる。
そこは当たり前のこと。
でもその施設は、
ちゃんとした理念なんてないから、
個人の思いだけで働いてるような職場なんです。
拠り所がないから、
個人の価値観のぶつかり合いになる。
当然解決はしない。
相手の方は、他で経験があったみたいだから
尊重したいんだけど、
価値観の不毛なぶつかり合いをするうちに、
言い方もやり方も
"私をやり込めるような物言い"
になってきました。
私もつい対決姿勢になってしまう、負のループ。
もう抜け出せません。
ある時子ども同士のトラブルを対応し、
そのときは解決したつもりになってたけど、
子どもからしたら納得できなかったみたい。
家で親に話をしたらしく、
次の日その保護者から、
先輩職員の助けは当然のようにナシ。。
何かあってはいけないと、
腫れ物にさわるような育成をしても
また些細なトラブルで炎上
こんな感じでした。
どう思いますか?
ダメダメですよね。
全てが。
私も自分の未熟さが大きいのは
当時も分かってました。
やる気や思いがあるだけじゃどうにもならない!
を思い知ってました。
事実だけを書いてても当時の自分が情けなく、
同時に施設の環境の悪さに腹もたってきました(笑)
やめる前の一ヶ月間は、
関係修復不可能にまでなったもう1人の常勤に
毎日のような批判や嫌味、
果ては無視攻撃で精神もやられ、
ある保護者のクレームがきっかけで、
バイトさん達はもうその常勤の側についた形、
私は施設で孤立状態になった結果、
完全に見切りをつけ、
というと格好は付くけど、
半ば追い出されるように、
私はその施設を去りました。
子どもの施設だから楽しいことも
たくさんあったはずなんだけど、
それらをすべて打ち消して
塗りつぶしてしまうくらいの嫌な思い出たちが、
一年目の仕事をした学童クラブの記憶です。
でも・・・
それと同時に、
当時の子ども達には、
申し訳ないって思いも大きくて、
思い返してみれば、
課題はあるけどかわいい子ども達。
今の私の知識やスキルで対応できてたら、
きっと全然違う毎日を過ごせたはずです。
満たされない自分を表現しただけなのに、
怒鳴られることもなかったでしょう。
見通しが甘くて子どもを危険に合わせ、
保護者を不安にさせることもなかったでしょう。
そこの学童クラブをやめたあと、
自分には勉強が足りないと私は思い、
さらに勉強してましたね
やる気は失ってなかったんです。
足りないのはノウハウ系の知識やスキル、
それらは本じゃなくて
人から習わないとダメと薄々感じながら。
ちなみにいる間に、
入れ替わりで入ってきた職員は、
いい人だったんだけど、
二か月くらいして連絡取ってみたら、
もうやめてました。
と身にしみて分かったので、
失敗しないように
気を付けよう。
そう心に刻みましたね。
それから半ニート1年、二つ目の職場へ
私はチラッと書いたけど、
お金には困っていませんでした。
(お金に関するプロフィールはそのうち書くかも)
だけど料理もできたらいいかな?
って暇潰しに居酒屋でバイトし、
他の時間は全て勉強やボランティアしつつ、
・・気づいた時には、結局1年以上探してました。
この期間は全く自由で良かったんですが、
人間的な成長がほぼなかったというか。
とにかく子どものために働きたかったんです。
1年ほどたったとき、
ボランティア先の友人が大卒のタイミング、
私の状況を知ってて
ある地方の法人の情報を教えてくれました。
聞いて調べてみると
- 研修ちゃんとある
- 給料は業界比べても多いほう
- 施設をたくさん運営してる
人がいっぱいいるってのは、
それだけスケールメリットがあって、
人との交流で学びも深くなるだろうと。
なにせ前の学童クラブは、
1人や2人の人間関係で行き詰まったら、
ゲームオーバーだったからね。
応募して試験会場行ってみると応募者いっぱい、
筆記試験や面接とか三段階くらいありました。
ここも私にとっては大きなポイント。
前のところみたいに、電話すれば
スルー状態で採用する施設はまっぴらでした(笑)
なんとか内定をもらい、
年がけっこう上だな~
なんて冗談?言われながら働き始めました。
配属先はとある児童館、
パート含めて全体で20人弱。
そこも後から考えると問題はあったんだけど、
あんまり気にならなかったですね。
鈍感だったのもあるけど、前の学童クラブを比べると天国に思えた。
特に先輩がちゃんと教えてくれるのがよかった。
まあ問題ってのは
管理職と主任の仲悪くて、主任の下にいる先輩職員がその間に挟まれて泣いてたり、
親切だけど一番上の先輩でも3年勤務してるのが最長だから、
児童館であるある、やんちゃな中学生の対応が分からなかったり、
課題のある子どもや障害児に対しては、手探り状態の育成だったり
倉庫の中がぐちゃぐちゃだったり、
年の多いパートさんが気難しかったり、
館長いい人なんだけど事務処理できないみたいで机の上が書類で山積み。
たまに雪崩起こしてて、それが几帳面な主任は嫌だったみたい
先輩職員の中にも館長を悪く言う人もいました。
ん―、
書いてみると
問題だらけですね(笑)
それでも前の学童クラブと比べると、
私にとっては天国だったので、
毎日楽しく子どもたちの事だけを、
考えて仕事ができてました。
それからその法人内で保育園に異動になったり、
他の児童館に異動になって、
相性の悪い館長と当ったり、
同じ法人なのに違う施設の状況を聞いて、
同情したり、
いろいろな人や環境をつぶさに見てきました。
多忙すぎてダメになった館長
能力不足で施設長から降格になり、
現場職員として年度途中でやめた人
利用者との関係で病んで休職した人、
ハラスメントでやめていった人
環境には問題なかったのに、
被害妄想みたいな感じでやめた人
周りからのプレッシャーに負け、
退職して行った人
契約社員で入ってきたおじさんが、
「給料足りない」と辞めていったり
他にもいろいろと
20年以上にわたって仕事してりゃ、
嫌でも経験なんてたまってきますよね。
・子ども関係のスキル、対人関係のスキル、
・この場合はこうするみたいな経験則、
・この人は放っておいたらいずれこうなる予見
いろんな悩みを抱えた人をたくさん見て、
実際にやり取りしてきたわけです。
まあでも、単なる一現場職員だったので、
そんな人たちの助けになったか?
というとそんなことはない。
なぜなら心理担当職員でもなけりゃ、
施設長でもないからね。
中には私が力になれた人もいたけれど、
ほんの一握りでした。
なんか、辛いんだろうなと思っても、
できることは仕事を通して励ましたり、
話を聞いたりすることくらい。
たくさんの職員がいる現場が多かったから、
と思っていたら
長期の休職に入りました。
連絡はなるべく
取らないようにしてください
みたいなことを後から聞いたりして、
やるせない気持ちになったことも、
一度や二度じゃありません。
私自身も苦手な施設長に当たった時は、
職場に行くのが嫌になったこともあります。
ラッキー
みたいな感じね(笑)
人のこと言えないじゃん
私の保育について思う事
こんな経験をずっと積んできた私は思うんです。
あなた含めて私たちみたいな保育士とか
子どもの支援員の仕事してる人って、
子どもの幸せや、
保護者の安定で子どもが安定すること、
なによりも子どもたちのために仕事をしたくて
大学で勉強したり、
他業種からわざわざ転職してまで、
集まってきた人たちですよね。
職場の上司や同僚との関係で悩んだり、
ろくにスキルがないのに、
上の立場になってしまった、
施設長の下で働くことに不満を持ったり
仕事の時間的余裕がなくて、
サービス残業への不満とか、
場合によっては責任に対して、
給料が安すぎるとかいう不満を持ったり、
精神的なよりどころがなくて、
宙ぶらりんの状態で仕事をして病んだり、
ちゃんとしたことを教えてくれない先輩、
先輩自身も勉強不足、
経験不足で人に教えられない職場とか、
こんなの全部ぜーんぶ、子どもの幸せとは何の関係もない悩み。
なんでこんなくだらない、邪魔な悩みのせいで、
大好きな子どもたちのために、
気持ちよく仕事ができないんだろうか?
って思うんですよ。
あなたはそう思いませんか?
仕事中はくだらないことを考えないで、
目の前の子どもの事だけを考えていたい。
目の前に子どもがいない時間には、
子どものためなることを考えていたい。
私はそうです。
あなたもそうだと思いますが、どうでしょうか?
場合によっては子どもが好きすぎて、
家に帰ってからも
面白い遊びないかな?
みたいに考えたり探したり、
子どもの対応について、
本を読んだりしてると思います。
子どもたちのために割くべき時間は、
いくらでも必要なのに、
邪魔が多すぎると思うんです。
人間だから生きていればいろんな悩みもあって、
全くストレスがないなんてあり得ないとはいえ。
私は子どものために仕事がしたくて、
私のウェブサイトを探してまで、
やってきたあなたのような保育者には、
くだらない悩みは早めに解消して、
気持ちよく仕事をしてほしいんです。
なぜなら子どもの幸せのためには、
支援者たる保育者が安定していないと、
無理な仕事だからです。
子どもたちには、
- あなたの職場の雰囲気や
- 大人同士の人間関係なんて、
これぽっちも関係のないこと。
子どもは子どもで
・親にかまってほしいとか、
・やりたいことを自由に試してみたいとか、
・いっぱい遊びたい、
・あなたとたくさん遊びたい
👆️こんな思いを持ってますよね。
そして大事なことは・・
目の前の子どもたちは待ってくれない。
時が来れば卒園、卒会していってしまい、
同じ子どもと過ごす時間は、
2度と戻ってこない。
わたしもいまだに思い出す
20年以上前に働いていた、
一つ目の学童クラブの子どもたち。
かわいかったけれど、私が未熟なばかりに、
大切な小学校低学年のうちの、
一年間(私がいた時間)を、
満足に支援し、
怒らなくていいことで怒られたりず、
ただ楽しく過ごしてもらう事ができなかった。
できれば今の経験値とスキルを持って、
やり直したいと思っても、
叶うことはない願い。
だからこそあなたには、
ここまで書いてきたような悩みは
さっさと解消してもらいたいんです。
・・すみません、つい熱くなり
似たようなことをだらだらと書いてしまいました。
私の経歴と、
今考えている事はだいたいこんなところです。
今は退職して、
執筆活動や講演活動などを中心に、
活動・仕事をしています。
家にはまだ小さい子どもがいて、
私の経験値をふんだんに活用して、
子育てをしています。
とっても安定してますよ。